デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場
こんにちは!
ももちんです。
ちょいと趣味で登山やってる人は聞いたことあるんではないでしょうか?
栗城史多さん(享年35)
単独無酸素での7大陸最高峰登頂を夢に掲げ、
最後の7座目のエベレスト登山中に滑落死してしまった方です。
私自身も趣味が登山ですので、彼が若い時は、栗城くん頑張って!
と陰ながら応援していました。
結局計8回エベレスト挑戦して、夢は叶わず死んでしまったんですが、
登山家の間では、あまりいい噂を聞かなかったようで、
単独と謳っていても、数十人のスタッフを引き連れて、山頂アタックの時だけ一人で行ったり、酸素吸ってたんじゃないか疑惑などが出たりで、彼のSNSは大荒れになったりしてました。
それで、自分も彼の存在は忘れていたんですけど、2018年に栗城さんが死亡したニュースをみて、
「おお!ついに死んじゃったんかー」
と衝撃を受けた事を覚えています。
それで最近本屋に行ったら、
「デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場」
って本が発売していて、
彼について入念な取材の末に筆者が書いたノンフィクションらしく、
すぐに手に取ってレジに向かったわけです。
読んでの感想は、
「栗城史多」という人物は、
登山家では無く、
エベレストを舞台とした
登山演劇の主人公であったのではないかということです。
あくまでも山の撮れ高にこだわり、
最初の頃は一人で山に向き合いたいから単独だと言っていても、
いつしかインターネット生中継での冒険の共有、夢の共有と言い出す。
単独という言葉の解釈や
本当に無酸素だったのか?
等の問題を圧倒的な取材で、
解き明かしており、
栗城さん自身の心の闇こそが
デスゾーンであるとした筆者。
数時間で読破してしまうほど面白い作品でした。
SNS上での自己表現が過酷な状況下での登山であり、
それに「いいね」
が多くつくことで自己顕示欲が満たされていたのではないでしょうか。
凍傷を負って指が無くなったことさえ、ストーリーのうちで、最後の登山では絶対に登れないルートに直前変更し、死に至るまでが栗城氏のエベレスト劇場であるとしたら、
周囲の期待に応えるため嘘を重ね、引っ込みがつかなくなった末の死亡と捉えても、何らおかしくないと思います。
一気に読ませてしまう構成力もすごいと思いました。
登山をしない人でも一読の価値ありです。
ではまた次回!